着ぐるみ製作のための追加メモ | |
さて、2000年当時ネット上で着ぐるみを製作する方法を公開しているところはほとんどありませんでした。 自分自身も師匠に教えて貰った情報を元に試行錯誤してアスカやシンジを作っていったものです。ただ、同じように着ぐるみを作りたいけど作るための情報・ノウハウが無い、という人も大勢いたはずで。必ずしも自分の作り方がメジャー、あるいは作りやすい、といったものではないにせよ、何らかの参考にはなるはずだ、と考えてupしていったのが、小狼の製作記でした。 ただ、小狼を作って以降、月日を重ねるに連れて、私自身新しい方法や工夫を色々重ねてきています。 このため、こちらではそういった情報を適宜上げていこうと思います。 ただ、こちらもあくまで私の製作例であって、これがベストというものではないでしょう。あくまで参考に留め、皆さんも独自に作り方を研究していくのがよいかと思います。 |
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インダストリアルクレイ(アルテH)について (’07.1記載) 2000年当時に比べてインダストリアルクレイがかなり高くなってきています。単価は当時とさほど変わりないのですが、同じ値段で量が減っています。今や着ぐるみ面1個をインダストリアルクレイとトルソだけで作るとしたら、5〜8K円くらい行ってしまうのではないでしょうか。 それと、暖めて柔らかくする(冷えると固まる)というこの粘土は原型完成後の石膏型抜き時に型くずれせず扱いやすいというのが利点で、師匠に勧められた粘土でしたが、肝心の原型制作時が無茶苦茶手間暇掛かり面倒でした。 それは、 ・いちいち人肌以上の温度(38度以上)に暖めないと加工できない。 顔の繊細な位置取り、曲面を出そうとしている間に冷えてしまっては、また加熱、ちょっといじってはまた加熱。 この作業の繰り返しで、もの凄く手間暇がかかります。 ・暖めすぎると危険。 では、冷めにくいように少し高めに加熱してはどうか? すると肌にこびり付きやすくなり低温火傷します。 「あちぃっ!」 と、思ったときは手遅れ。しつこい脂汚れのように手にベタベタまとわりついて、剥がれません。 何度か火膨れを起こして、そのため数日作業を中断することも。 このため、’05年から’06年にかけて製作した綾波面はインダストリアルクレイの使用を一部(強度が必要な頭の基本形で、それほど繊細な形状を必要としない箇所)の使用に留め、その他は一般造形用の油粘土を使うハイブリッド工法に変えました。 効果は絶大! 原型制作期間が1/4くらいに短縮、製作のスピードアップが実現しました(当社比) インダストリアルクレイ(アルテH)とマネキントルソの原型製作について (’07.1記載) ただ、もう一点インダストリアルクレイの利点として軽さがあります。同じ体積の一般油粘土に比べて非常に軽いのです。 このため、人間の頭サイズを一般油粘土で作るととんでもない重さになり、場合によっては自重で型くずれを起こす場合もあります。 プロの方などは発砲スチロールをくり抜いて、あらかじめほとんど顔の形を作り、その表面に必要最小限の粘土盛りをして重さ(費用)を軽減しているようです。 ただし、私は地方住まいですので、人間の頭大の発砲スチロールなど近所に売っていません。。。 東京まで行って調達するにはその大きさがかさばって輸送が面倒ですし。 そこで、元々あったインダストリアルクレイの原型の表面を若干削り、これごと粘土原型の土台にして使うようにしています。 かつ、いくら軽いと言ってもインダストリアルクレイ自体の重さもあります。そこで、特に複雑な形状でない、ただ粘土を盛りつけるだけの額や頭部にペットボトルのキャップを埋め込んでいます。キャップ自体が軽く、かつ凹型で中空となるので大幅に軽量化できます。しかも安上がり。 (^^)v 結髪について (’07.2記載) 以前(小狼製作の頃)はパーティーグッズのかつらをばらして使っていました。 詳細を言いますと、まず面にフェルト(か、それに近い)髪と同色の生地を貼って、その上にカツラの髪の毛をばらしたものを貼るか、縫いつけるかしていました。髪が薄いと、下地が透けてしまいますし、下地に髪と同じ色を塗っても、やっぱり「髪が薄い」印象になるので、フェルトを使いました。 結髪については縫うか、両面テープで面に髪を付けていました。チープですけど、どうせ「付ける」箇所は見えないので、そこは割り切って安く上げてました。両面テープは案外接着力強いし、付け替えも楽でしたから。 ただ、その後業者さんがパーティーグッズのカツラを作るための短冊状の髪の毛の束があることを知り、サターン、ナタル、3作目シンジはこちらで作っています。 接着はホットボンドを使うようになりました。 それと、髪を整える方法ですが、小狼のときは洗濯糊を使っていました。 これは、何度もやり直しが出来るのは重宝なのですが、型くずれは当然しやすい。 そこで、スチレンのりを使い始めました。そのままだと粘度が高いのでアセトンで薄めます。これだと、かなり型くずれに対しては強い。 ただ、水分を含むと白濁しちゃうんですよね、これ。 雨が降ったときなど、髪がまだらに綿星かぶったようになっちゃうんですよね。(^^;) |